青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「で、あなたはどうする気かしら? お仲間は逃げちゃったわよ?」

「違うよ、セレビアさん」

 セレビアの言葉を、クヲンではなく空兎がきっぱりと否定した。

「クヲンくんは、あの人たちの仲間なんかじゃないよ」

「じゃあ、私達の仲間?」

 セレビアにそう問われると、空兎は黙ってしまった。それについてはきっぱりと肯定できる自信がなかったのだ。

 長い沈黙が訪れるかと思われたが、意外にもクヲンが口を開いてきた。

「少なくとも……」

 空兎たちの視線が、空のクヲンに集まる。

「俺の計画を邪魔しなければ………敵じゃないさ」

「あなたの計画?」

 セレビアが怪訝な顔する。

「あれは……本当なの?」

 空兎が尋ねると、クヲンは口元に笑みを作って答えた。

「さぁな……ただ一つ言えるのは、俺にも叶えたい“奇跡”があるってことだ」

 クヲンの言葉に、セレビアがフッと笑みを零す。

「なら……あなたは、私たち……いえ、私の敵ね」

「悪いが、こういうのは早いもの勝ちなんだよ。俺はこれから“本”と“鍵”を奪う。封印されたページの解放方法は分からなくても、この二つが“奇跡の条件”に必要なことは確実なんでな」

「随分と楽観的ね。私を味方につけておけば、そのページの解放方法が分かるかもしれないのにねぇ」

 セレビアが嘲笑うように言うと、クヲンがさらに口元を広げた。

「俺を舐めるなよ? あんたも知らなかった“鍵”を本当の姿に戻す方法を見つけたのは俺だぜ?」

 誇らしげに話すクヲンに、セレビア押し黙ってしまった。
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