青空、ハレの日☆奇跡の条件（加筆修正中）

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「……誰もいない？」

　目的のテント内を覗いたクヲンだが、そこに誰もいないことに疑問を抱いた。

　通信機や椅子、武器などはそのままで人だけが忽然と消えている。

「全員で連れション……なんてこたぁ、ないよな？」

　考えられる理由は、あの場で唯一撤退した灰山が通信機か何かでいち早く自分の反逆を報告されたことだろう。

（“本”と“鍵”は……ここにはないだろうな）

　それでも淡い期待を持ちながら一歩足を踏み入れた瞬間、妙な違和感を覚えた。自分の中で危険信号が点滅している。明らかにこの異様な雰囲気が罠だと告げているのだ。

「まさか！」

　クヲンはすぐに通信機が置かれているテーブルの下を覗いた。

　予感的中。

　そこには、時限式の爆弾がテープで止められていた。クヲンの目が見開いたその瞬間、それが意図したかのように突如、爆発した。


　クヲンの視界を、眩い閃光と炎が覆いつくした。