青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
§
あの場で仙太に意識があったなら、空兎を一人で向かわせるという暴挙はさせなかっただろう。
「……………ここ、何処ですか?」
方向感覚ゼロの空兎は、例によって迷子になっていた。一人、森の中で。
「えっ~~~と……確かあっちの方へクヲンくんは飛んでったよね?」
そう言って空兎は、まるで見当違いの方向を指差す。
側に誰もその間違いを訂正しくれる者はいないため、空兎は自分の間違いに永遠に気づきそうにもない。
「う~~ん、とりあえず走ってれば、いつか着くよねっ!」
そう楽観的に考えて、また走り出す空兎。それがまた迷いの深みにはまっていくとも知らずにひたすら足を動かした。
そうこう走っているうちに、ついに空兎は森を抜けて、湖畔に出てしまった。
「………こ、これが森の神秘ってやつぅ!? てか、なんか全然違うとこ来てるしぃぃぃぃいいいい!?」
ようやく自分が迷子になっていた事実に気づいた空兎。頭を抱えながら湖に向かって嘆き叫ぶ空兎。
とりあえず湖に顔を突っ込んで頭を冷やすことにする。夕暮れになってまた下がった水温が心地よかった。
息が続く限り突っ込んだ後、顔を上げて新鮮な森の空気で肺を満たす。寒すぎるくらいの風が吹き抜けたが、熱くなった体を冷やすには丁度良かった。
しかし、これからどこへ行けばクヲンに追いつけるかさっぱり検討がつかない。
すっかりうな垂れたそんな時、ふと目の端に人影が映り、空兎はそこへ目を移した。
「誰だろ?」
組織の人間だと空兎が思わなかったのは、その男が着ている服装がスーツではあるが、黒のではなく紺色だったからだ。
自分よりかなり年上だが、どこか若さすら感じさせる逞しさがある。明らかに日本人ではない顔立ちに空兎は途端に緊張し始めた。
あの場で仙太に意識があったなら、空兎を一人で向かわせるという暴挙はさせなかっただろう。
「……………ここ、何処ですか?」
方向感覚ゼロの空兎は、例によって迷子になっていた。一人、森の中で。
「えっ~~~と……確かあっちの方へクヲンくんは飛んでったよね?」
そう言って空兎は、まるで見当違いの方向を指差す。
側に誰もその間違いを訂正しくれる者はいないため、空兎は自分の間違いに永遠に気づきそうにもない。
「う~~ん、とりあえず走ってれば、いつか着くよねっ!」
そう楽観的に考えて、また走り出す空兎。それがまた迷いの深みにはまっていくとも知らずにひたすら足を動かした。
そうこう走っているうちに、ついに空兎は森を抜けて、湖畔に出てしまった。
「………こ、これが森の神秘ってやつぅ!? てか、なんか全然違うとこ来てるしぃぃぃぃいいいい!?」
ようやく自分が迷子になっていた事実に気づいた空兎。頭を抱えながら湖に向かって嘆き叫ぶ空兎。
とりあえず湖に顔を突っ込んで頭を冷やすことにする。夕暮れになってまた下がった水温が心地よかった。
息が続く限り突っ込んだ後、顔を上げて新鮮な森の空気で肺を満たす。寒すぎるくらいの風が吹き抜けたが、熱くなった体を冷やすには丁度良かった。
しかし、これからどこへ行けばクヲンに追いつけるかさっぱり検討がつかない。
すっかりうな垂れたそんな時、ふと目の端に人影が映り、空兎はそこへ目を移した。
「誰だろ?」
組織の人間だと空兎が思わなかったのは、その男が着ている服装がスーツではあるが、黒のではなく紺色だったからだ。
自分よりかなり年上だが、どこか若さすら感じさせる逞しさがある。明らかに日本人ではない顔立ちに空兎は途端に緊張し始めた。