腐っても探偵。されども探偵。そもそも探偵ってなんだ?
しばらくの沈黙後、先に口を開いたのは泉流であった。


「どう?ちゃんと純ちゃんのお望み通りにしたよ。これで僕を見捨てないでくれる?」


さっきと打って変わって爽やかな笑みを向けてきた彼に、純はフルフルと肩を震わせる。この男は!


「あなた!今まで猫被ってましたね!?仮にも女性に向かってなんて酷いことを…!」

「……仮にもって、君も人のこと言えないじゃない。だいたい君が蹴散らせって言ったんじゃないのさ」


「それに」と、泉流は肩をすくめる。


「僕は別に猫なんか被ってないよ?あの娘ら相手に上品ぶっても仕方ないなと思っただけ。僕って、媚びる女が大っっ嫌いなんだ。……ああ、その点君はいいよ。全然僕になびかないんだもの。腹立つぐらいに」

「……どっちですか」


構われても構われなくても気に食わないと主張する泉流に、純は呆れたように言った。なんてわがまま大王だ。


「それより、わたしを呼んだのは用があったからじゃないんですか?こちとら友人とのラブラブランチを蹴ってここにいるんです。さっさと用件を言って下さい」

「ラブラ……、君、そんなんじゃ彼氏できないよ?」

「余計なお世話だ――!」
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