腐っても探偵。されども探偵。そもそも探偵ってなんだ?
それから数十分後。純はある建物を前にして唖然としていた。


――僕のアトリエに招待するよ。


そう言われて連れてこられたのは、なぜか高級マンションだったのだ。


「……まさか、ここに住んでるとか言いませんよね?」

「うん?そうだよ?マンションに住まなくて他にどんな使い道があるのさ」

「………」

「って、ちょっとちょっと!どこ行くの!」


いきなり無言で踵を返した純を慌てて引き留める泉流。彼女をガッシリ掴むと、僅かな抵抗の末にようやく大人しくなった。


「……わたしを騙したんですか?」

「は?」

「探偵とか言って……本当は嘘だったんですね」

「あ、なんだ、そうゆうこと」


そこで泉流はようやく合点いった。


「あのね、何か勘違いしてるようだけど、僕はれっきとした探偵だよ?ただ依頼の受け方が特殊なだけで」

「特殊?」

「ネットを使ってるんだよ。日本人はシャイだからね。面と向かって話ができない人には好都合だろ?で、受けた依頼を無事遂行したら、代金を振り込み先に払って貰うんだ。だから仕事場も自宅で事足りるってこと。……納得してくれた?」
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