腐っても探偵。されども探偵。そもそも探偵ってなんだ?
「……とにかくおいで。君にさっそくやって貰いたいことがあるんだ」


そう言って手招きすれば、彼女はあからさまに嫌な顔をした。まさか、昨日の今日でいきなり使われるとは思わなかったようだ。


「何が不満なの?昨日は助手を引き受けてくれたじゃない」

「嫌々ですけどね。そうじゃなくて、昨日会ったばかりの人の家にお邪魔するなんて、ちょっと気が引けると言うか……」


しどろもどろ話す純に、泉流は眉根を寄せる。


「もしかして、僕が君に手を出すとでも思われてる?」


図星だったのか、瞬間に顔を真っ赤に染めた純を見て、泉流は目を丸くした。


「うっそ……純ちゃんってそんなに自意識過剰な子だっけ?」

「違います!ただ戸惑ってるだけです!男の人の家に上がった経験もないし……今まで彼氏もいなかったから……って、なんでこんなことあなたに言わなきゃなんないのよ!」

「いや、自分で言ったんじゃないの。でも、ああそうか、だからか」


なら緊張するのも仕方ないだろう。けど、


「安心していいよ。君レベルじゃ欲情しないから」

「それはそれでムカつくんですけど!」


…………どっちだ。
< 22 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop