腐っても探偵。されども探偵。そもそも探偵ってなんだ?
少し納得のいかない泉流だったが、まぁいいやと呟いて再び純と向き合った。


「じゃあここで待ってなよ。ちょっと支度してくるから」

「え?これからどっか行くんですか?」

「うん。今回は詰めまで終わってるから、後は仕上げに入るだけだったんだ。けど、せっかくだから家に招待しようと思ったのに、まったく君は」

「無用なお気遣いです。それより仕上げって何です?というか、わたしに何やらせる気なんですか?」


矢継ぎ早に質問してくる彼女に泉流はくすりと笑うと、


「後で分かるよ」


そう言い残してマンションの中へと消えていった。




――それから10分後。




「お待たせ」


背をマンションの壁に預けて退屈そうにしていた純は、ようやく来たか、と声のした方に顔を向けた。そしてそのまま絶句する。

そこには文句なしに綺麗な女の人が立っていたのだ。



「………天宮さん?」

「そうだよ」


呆気なく肯定した彼に、純の肩がプルプルと震える。なんてことだ!


「あなた…!まさか女装癖があっ……痛い!!」


思わず叫びかけたら、バシッと頭を叩かれた。……酷い。
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