腐っても探偵。されども探偵。そもそも探偵ってなんだ?
「いいかい?これは作戦なんだよ」

「作戦…?」

「うん。まぁ、歩きながら話すよ。おいで」


手招きする泉流に、怪訝に思いながらも付いていく純。

そして純が隣に並んだのを確認すると、ようやく泉流はことの次第を話し始めた。


「今回の依頼者はね、とある高校教師で、内容はまぁ…いわゆる痴漢撃退、かな?」

「いやいや、かな?って可愛らしく首傾げられても。って、痴漢!?」

「生徒が被害に遭ってるらしくて困ってるそうなんだ。今が丁度下校時間でしょ?てっとり早く囮になって捕まえようかと思って」

「いや、いやいやいや!ちょっと待ってください…!」

「……何?ここまで言っても分かんないって言うの?その空っぽの頭は」


純はブンブンと首を振る。何気に失礼なこと言われた気がするが今は気にしないことにする。

彼の言いたいことは分かる!分かるとも…!だけど!!


「なんで囮役がわたしでなくてあなたなんですか!!」


キッと睨み付けながら言い放てば、彼はポカンと呆気に取られた様子で、


「……君、もしかして自分が痴漢に遭うほど美人だと思ってるの?」

「100回殺してもいいですかマジで」


初めて殺意の湧く瞬間を体験してしまった。
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