舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「奈々、ろうそく吹いて」


怜音が横から私の肩を抱いて、優しく囁いた。


鼻水をずっと吸って、涙を拭いて、私はろうそくの火を消した。


みんなが拍手してくれて、私は周りを囲んでいるスタッフの姿を見渡した。


「どうして…」


「書類見た。これも職権乱用?」


怜音は優しく微笑んで、私の顔を覗きこんだ。


私はまた涙がこみ上げてきて大きく首を横に振った。


自分さえも忘れていた誕生日なのに、こんなに盛大に祝ってくれて嬉しすぎた。


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