舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「厨房さん、お疲れ様です。最終チェック終了しました」


「お疲れーっす」
涼介の声で、厨房の中にほっとした空気が流れる。


私も洗い物を終えて、エプロンで手を拭いて振り向くと、急に照明が切れた。


「ひゃあ!て、停電?保っちゃん?!」


真っ暗になったことでパニックになり、手探りで歩こうとするも、いろんな角にぶつかって、しゃがみこんだ。


「奈々さん、こっちです」


「へ?涼介さん?」


急に腕を掴まれて、その腕を引かれて歩いていく。


「停電ですか?」


「そうみたいです。大丈夫ですから」


涼介の優しい声に安心して、そのまま身を任せていた。


たぶん靴のすれる感じから、カーペットの上だから、ホールにやってきたんだと思うけれど、スタッフがいるはずなのに妙に静か。


すると急に目の前が明るくなって、目を細めた。



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