=寝ても覚めても=【完】
次の一言には多分に怒りが含まれていて、主は渋々と言った様子で口を開いた。
『・・・何したのか言っても良い?』
俺に聞くな!と仁科は思った。
けれどすぐに思い直した。
こんな恥ずかしい事を宇治方先生に死んだ後でも知られたくはない。
慌てて主の袖を掴み、千切れんばかりに首を振った。
主はそうだよな、と頷いた。
『言うなって』
『・・・仁科はお前のところのメイドじゃないんだぞ』
『うちのメイドにこんなに可愛いのはいない』
『お前はナナミ以外のメイドの顔をしらんだろうが!』