かさの向こうに縁あり
これで電源が入れば大丈夫、と思いながら電源ボタンを押すと、案外あっさり電源が入った。

電池式だからか、いつの時代でも使えるらしい。



「まずは……」



調べたくなったきっかけのものから、順に調べていくことにした。


国語辞典を選択し、“つつじ”と入力する。

どんな花言葉なのだろう、載っているのかな、とどきどきしながら。


すると検索結果を見た瞬間、私は不覚にも驚いてしまった。


花言葉が載っているーー
いや、単にそのことに驚いたのではない。

その内容を見て、何故だかどきっとしてしまったんだ。



『花言葉は熱い愛情、初恋、など。……』



これらの言葉にどきっとしてしまったとは、どういうことか。


ツツジの花言葉は、恋愛要素しかない。

だというのに、それに無意識に反応してしまっている私がいる。


実はどこかで意識していたんだろう。



平助が好きなんじゃないか、ということをーー




この時代に来た初日からお世話になっているというだけで、好きになってしまったとでも私は言うのだろうか。


それはおそらく違う。


< 154 / 245 >

この作品をシェア

pagetop