年上の男
次の日から、おじさんのコンビニでバイトが始まった。
朝9時から夕方5時までの約束。
おじさんも私のほうが言いやすいし、やりやすいって言ってくれてるから長い休みのときは、できるだけお手伝いしてる。
バイト先のコンビ二から家までは歩いて20分くらい。
夏は日も長いし、少し遅くなっても平気だから助かる。
だけど、その日はちょっと違ってた。
「柊子ちゃん」
「はい?」
午後の3時。
「申し訳ないんだけど・・・バイトの木村君が風邪引いたらしくて・・・11時までお願いできるかい?・・・本当は女の子はダメなんだけどね。夜の9時からは極力出なくていいようにするから」
申し訳なさそうに言うおじさんに断るわけにもいかず
「いいですよ〜・・・でも、木村君大丈夫なんですか?」
「ああ、ちょっと熱が高いからもしかしたら明日もお願いするかもなぁ・・・バイト代割り増ししておくよ・・・」
「え・・・いえ、それはいいんですけど・・・」
「すまないねぇ」
頭を掻きながら私に頭をさげるから
「やだ、おじさん。困ったときはお互い様だから」
笑顔で言うと
「ありがとう、たすかるよ」
おじさんも笑顔になった。