ゴーストシステム
その血はじわじわと範囲を広める。
セナはその場に崩れてしまった。
立ってなどいられなかった。
秀人から流れ出た血が地面についていたセナの手に達した。

秀人の血は温かかった。
さっきまで秀人の中を駆け巡っていたのだと感じる。

周りの音や声がだんだんと聞こえなくなってくる。

ただ、さっきまで秀人が聞いていたであろうイヤホンから、シャカシャカと何かの曲が鮮明に聞こえてきていた。

誰かが呼んだのだろう。
救急車が到着し、秀人を連れ去って行った。
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