ゴーストシステム
そんな顔を見られないように、

「秀人タダで乗れるとかめちゃくちゃいいじゃん!」

と笑いながら言った。

「そうだな!ラッキー!」

秀人もそう言うと無邪気に笑った。
人の気も知らないで・・・。

改札を抜け、丁度アナウンスが流れた。
電車がホームへ滑り込んでくる。
耳が痛くなるほど大きなブレーキ音を立てながらゆっくりと停車した。

扉が開くと冷たい空気が足元に流れた。
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