PIECE of SEVENS
………


……




次の週、俺達は夜中に待ち合わせすることにした


「まだ来ねーのか」
凌は時間にルーズだ


「おっせーよ」
10分遅れて来た


「わりぃわりぃ」
自分で誘っといて遅刻とは、本当呆れた奴だ


まぁ、これを見越して待ち合わせ時間を決めているのだが


慣れって怖い……


そんなことを考えていると「早くいこーぜ?」とか吐(ぬ)かしてきた


そもそもお前が遅れたんだろ!


「…行くか」
あえて言い返さない


そう言って二人は全く無人の(運転手もいない)バスに乗り込んだ


いつも使うバスも運転手はいない


バス自体は無料で何度でも乗り降りすることが出来る


移動手段にはもってこいだ


因みにこのバスはここ、中央区と『シーフォー』を行き来するだけの路線で、一日に5本くらい運行されている


シュー
乗り込んでから5分後、バスの扉が閉まった


いよいよ俺達を乗せたバスが出発する


俺とこいつはほとんど寝てないので『シーフォー』に付くまで眠ることにした


目を閉じると、バス内にはこのバスの無機質な「キューン」という小さい音が響いている


聞こえるのはそれと自分の鼓動だけ


そして二人は眠りに就いた


………


……






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