ノイズ
それなのに寒いのだ。


訝しく思った可奈は、リモコンを取ろうと上半身を起こしたつもり、だった。



あれ……?体が動かない!



まるでしかし、見えない誰かに押さえ付けられたように起き上がることが全く出来ない。



これって……もしかして金縛り?



霊感の強い可奈にとって、金縛りに合うのは珍しいことではなかったが、やはり恐怖を感じる。


金縛りだけならいいのだが、もれなく霊も一緒に現れることが多い。


たいていはいわゆる通りすがりの霊らしく、すぐに消え失せてしまうのだが、たまにタチの悪いタイプに当たると、朝まで部屋に居座り続けたりするのでたまらない。


見えるだけで祓う力がないのだから、霊との接触は苦痛でしかなかった。



キーン!



不意に耳鳴りがして、足元に黒い影が見えた。


黒い影は徐々に濃くなり、輪郭が次第に鮮明になりつつあった。
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