ノイズ
「…か……な………ん……」



裕美!何が言いたいの?



この体さえ自由に動いてくれたら。



必死に身をよじってみたが、体はピクリとも動かない。


続いて声を出そうと試みるが、金魚のようにパクパクと口が動くだけで、音は全く出ない。


時間だけが虚しく過ぎていくばかりだった。



「……さ……ん……」



やがて何も聞こえなくなると裕美の姿は少しずつ透けていき、闇の中に消えていった。



「…はっ……!」



裕美が消え失せると同時に、可奈の体は自由を取り戻した。


室内が異常に寒いのに関わらず、全身が汗だくになっていた。


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