ノイズ
「裕美ね。沖縄に行きたいって言ってたの。知ってた?」



「…ううん。聞いてない」



沙織は頭を降った。



裕美が海を好きなのは知っていたが、沖縄に行きたがっていたとは全く知らなかった。


ここ雛森市は東北地方の中でも豪雪地帯として知られており、冬が長いため南の島のようなリゾートにあこがれる人も多い。


沙織が東邦学園を選んだのも地元進学校として有名だっただけではなく、修学旅行が沖縄らしいという情報があったからである。



「二年生になれば、修学旅行で沖縄に行けたかも知れないのにね……」



「…そうだね」



可奈が何を言おうとしているのか、沙織にも理解出来る。


失った時間はもう二度と戻って来ることはない。


裕美が二年生に進級することは出来ないし、一緒に修学旅行に行くこともないのだ。


< 272 / 309 >

この作品をシェア

pagetop