メガネ男子は俺様王子さま

そのまま一通り瑠奈さんと挨拶に回っていると、ふと廊下の角から低く抑えた声が聞こえた気がしました。

意識して耳をすましてみると、その内容に聞かなければよかったと後悔しました。が、とうとう声の主が去って聞こえなくなるまで意識が追いかけてしまいました。


「何あれ、信じられないわよね。自分の方にカイさんを振り向かせる為に瑠奈さんをダシにして。」

「そうよ、しかもあんな大声出して注目を集めようなんて。」

「ちょっとカイさんと仕事したことあるからって、そんなのたかがピンチヒッターのくせに。」

「しかも瑠奈さんにフォローまでさせて。」




はっきりと誰の声とは聞き取れませんが、ボソボソと聞こえてくるのは複数の人の声のようで、私は全身の力がすうっと床に吸いとられたかのように抜けていくのを感じました。




瑠奈さんの状態に焦ってしまい、大きな声で騒いでしまったのは確かにご迷惑だったと反省しています。
でもそれがこうもあからさまに悪意を持って批判されてしまうとは。


< 219 / 236 >

この作品をシェア

pagetop