an alley cat
「冬真ー終わったぞー」
「意外と早かったな」
「で?どうだった?」
「んー特に目立った病気はしてないし、安心だな」
「よーかったぁ」
「ん?クロ?伸びてるけど、大丈夫なの?これ」
どうやら、気絶していたみたい。
「で?どうするんだこれから、飼うのか?」
診察が終わって帰り道、龍斗くんが尋ねた。
「ん、何が」
「何がじゃないだろ、クロだよく・ろ!」
「んー母さんがいいって言えばね」
「ふぅん」
「たぶんダメっつー気がするんだけど」
「何で」
「母さん猫嫌いなんだ」
冬真くんは小さな声で囁いた。
そんな冬真くんを見て、龍斗くんは呆れ顔でため息をつく。
「じゃあ、何で今まで面倒見れたんだ?」
「母さん旅行中で居なかったんだよ」
「ああ」
龍斗くんは納得したように頷いた。
「あー気ぃ重っ!」
冬真くんは大声で叫ぶと、私を見て「ダメって言われたらごめんな」と、申し訳なさそうに呟いた。
「ミャア」
―「大丈夫」
面倒見てくれたし、名前もつけてくれたし。
それだけで、ただそれだけでも嬉しい。
「ダメって言われたら俺ん家で飼ってやるけど」
「おーよろしくな」
―!?
―嫌だ!
龍斗くん家は絶対嫌だ!
注射器なんか一生見たくない!
私は心の中でそう叫んでいた。
「意外と早かったな」
「で?どうだった?」
「んー特に目立った病気はしてないし、安心だな」
「よーかったぁ」
「ん?クロ?伸びてるけど、大丈夫なの?これ」
どうやら、気絶していたみたい。
「で?どうするんだこれから、飼うのか?」
診察が終わって帰り道、龍斗くんが尋ねた。
「ん、何が」
「何がじゃないだろ、クロだよく・ろ!」
「んー母さんがいいって言えばね」
「ふぅん」
「たぶんダメっつー気がするんだけど」
「何で」
「母さん猫嫌いなんだ」
冬真くんは小さな声で囁いた。
そんな冬真くんを見て、龍斗くんは呆れ顔でため息をつく。
「じゃあ、何で今まで面倒見れたんだ?」
「母さん旅行中で居なかったんだよ」
「ああ」
龍斗くんは納得したように頷いた。
「あー気ぃ重っ!」
冬真くんは大声で叫ぶと、私を見て「ダメって言われたらごめんな」と、申し訳なさそうに呟いた。
「ミャア」
―「大丈夫」
面倒見てくれたし、名前もつけてくれたし。
それだけで、ただそれだけでも嬉しい。
「ダメって言われたら俺ん家で飼ってやるけど」
「おーよろしくな」
―!?
―嫌だ!
龍斗くん家は絶対嫌だ!
注射器なんか一生見たくない!
私は心の中でそう叫んでいた。