an alley cat
「クロ!なんでこんな所にいるんだ?」

「はぁ?クロがいるわけねぇだろ・・・っているし」




―『クロ』



私の名前を呼ぶ、冬真くんと、龍斗くん。




「ニャァ」

「おかえり」私は2人に近寄って、しっぽを振った。



「迎えに来てくれたのか?」


冬真くんは私に笑いかけ、その隣には龍斗くんが並ぶ。

私は2人の足元を、軽快な足取りで付いて行く。






「なんかいいん、この光景?っての」

「は?何が?」

「何か、大の男2人に猫って良くねぇ?華がある」




「・・・ふーん」


少し間を開けて、龍斗くん。



「ふーんて!ったく冷てぇなぁお前!」

「そぉ?」

「そぉ!」

「ふーん」

「だからふーんて!!」


―ほらまた始まった。


ここは繁華街、人が大勢いる所だよ?

そんな事もお構いなし。

言い争う2人は止まらない。


行き交う人は、2人を見て笑っているよ。

そんな人達の目も気にせずに。





それだけ仲がいいって証拠かなぁ?





言い争っても、絶対2人は陰険な雰囲気にはならないもんね。





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