an alley cat
「んじゃなー」

「おぅ」


ここは龍斗くんと冬真くんが、別れる場所。

私もここで。


「クロ、また明日な」


―うん、また明日ね。


私は嬉しそうにしっぽを振ると、冬真くんを背に歩き出した。


「拾い食いすんなよー?」



―しないよ。


さっき冬真くんにパン貰ったから大丈夫。

いつも会うたびに、冬真くんは決まったパンをくれる。

だから飢えたりしない。

他の野良猫みたいに、一つの食べ物を取り合ったりしない。

一種の飼い猫みたい。







私はくすりと笑い、明日また会えることを夢見て、橋の下で眠った。











―「ザー」という音で目が覚める。



今日は朝から雨かぁ・・・。

雨は寒い。

川は茶色く濁って、カフェオレみたい。


私は1人、橋の近くにあるバス停で雨宿り。


今日はいつもと場所が違うから、冬真くんは気付くかな?

止みそうのない雨をただひたすら目で追って、時間を潰す。




―パシャンッ・・・パシャッ・・・パシャッ!


雨を弾く足音。

だんだんこちらに近付いてくる。

冬真くんかな?

私は嬉しくなって、見えてきた人に体を向けた。


「ハアッ・・・ハアッ・・・冷てぇっ!」


バス停に現れたのは、冬真くんではなかった。



私はだらりとしっぽを垂らし、再びバス停のベンチへと蹲る。

今日は、会えないのかな。



私は一向に来ない冬真くんの顔を思い出しながら、その場でうとうとと目を閉じた。



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