an alley cat
「細っ!」





最初の一言がそれですか。


私は少し口の端を持ち上げた。




「へぇ~また珍しい時に転校生が来たものねぇ」


恋さんはテーブルを拭きながら言った。



「でしょ、あたし等も驚いたんだよねぇ、で、どんな子かと思ったら!」

「こんな可愛い子が来てくれてぇ・・・あ、あたじはぁ、すっごくぅ、嬉かっ・・・!」

「・・・お願い華夜、つまんないからやめて」



鋭いツッコミ。



「チッ」

「あ?今舌打ちした?」

「え?何が」

「な・に・が、じゃねぇだろ!今確実に“チッ”って舌打ちしたよね!?」



―え、っと喧嘩?かな・・・?



私はどうしていいか分からず、一口水を飲んだ。




「あーあーまたやってる、気にしなくて良いよ、いつもだからね」


恋さんが呆れたように笑い、「やめなさい」と、2人のおでこをぺシッと叩く。


「喧嘩じゃなかったんだ・・・」



ぽつりと呟いた言葉。



「喧嘩じゃないって!」

「ごめんねのの~!!」



―バッチリと!




2人に聞こえてましたか・・・。







「ってかさ、明日金曜じゃん、夜に花見!だったよね?」



「あぁ、明日だっけ?忘れてた」

「花見・・・」

「そうだ、ののも連れてってあげようよ!」


華夜ちゃんは楽しそうに笑い、紅茶を一口飲む。


「あー!いいねそれ!」

「のの、明日夜大丈夫?」


初めての紅茶を口にしようとしていた私に、千夏ちゃんが話しかけてきた。



「え、うん?」


「よぉおしっ!じゃあクラスの子片っ端から誘って遊ぼう!」

「うん決まり!」


2人はすごい盛り上がってたけど、“花見”というものは、そんなに楽しいものなのかな?



そう思いつつ、紅茶を一口飲んだ。






「熱っ!」





―猫舌というのも忘れてね。


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