私こそ光る☆君~グランプリ編~
「お、お次は皆さんお待ちかね!!

グランプリ候補者の方々に登場していただきます!!」


どもり気味の司会者の声が続きを促す。


やっぱり、静かになるとやりづらいよね……。


「“俺たちはいつも輝いてるぜ!!”

【PLANETS】!!」


候補者が舞台袖から顔を出すと、再び会場が賑わった。


うん、今さらなんだけどさ……。

私、他の候補者が誰か知らなかった!!



「私言ったわよ、あなたが聞いてなかっただけで」


隣に立っていた志乃さんが小声で釘をさしてきた。


『……すみません』


ちょこっとだけ、疑ってました。

だってね、事後承諾的な感じで物事を運ぶことが多いんだもん。

一応、意見を聞かれてもごり押ししたり、そもそも選択肢が1つしか用意されてなかったり……。


でもね、そんな強引で強気なところ、私嫌いじゃなかったよ?



「ほら、そろそろあなたの名前が呼ばれるわよ?」


温かな手を感じて、志乃さんがそっと背中を押してくれたのがわかった。



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