私こそ光る☆君~グランプリ編~
「僕が代表して言うよ」

「何言ってやがる、ここはリーダーであるこの俺様が……!!」

「う~っ、僕が言うの!!☆」

「…………」


壮絶なマイク争奪戦が繰り広げられていた。


マイクは入ったままだから、音声はすべて拾われている。

つまり、全部筒抜けってこと。


みんな何やってんの!?



「「「あっ!!」」」」


ハラハラしながら争奪戦の様子を見守っていると、膠着(こうちゃく)状態だった戦況に変化があらわれた。


「……良かった、と思う」


ギャースカ舌戦を展開していた他の三人を尻目に黙って立ち上がり、隙をついた清龍がマイクを手中に収めたのだった。


「おいっ、清龍!!

何勝手に答えてんだよ?」

「何してるの、セイ?」

「セイくん、ずるい☆」


遥、紫水、由依が一斉に非難の声をあげたけれど、清龍は黙って次のゲスト――お父さんたちにマイクを回しただけだった。



< 185 / 206 >

この作品をシェア

pagetop