私こそ光る☆君~グランプリ編~
その後も趣味や特技、今はまっていることなど特に当たり障りのない質問が続いた。



「では最後に、今年は紅月さんにとってどんな年でしたか?」


『……!?』


ビクッ。


身体が大袈裟なくらいに反応した。



今回の取材で聞かれる可能性は十分にあったこの質問。

しかし、今の私はその答えを持っていない。


分からないのだ。


「どうなさったんですか、紅月さん?」


突然口ごもった私を出版社の人は困惑した表情で見つめる。


それでもなお、押し黙ったまま俯いていると、志乃さんが間に入ってくれた。


「すみません。

この子この所仕事が立て込んでいたので、疲れているみたいなんです。

大変申し訳ありませんが、今日の取材はここまでにさせてください」


結局この日の取材は志乃さんの機転により、“体調不良”という名目でここまでとなった。


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