私こそ光る☆君~グランプリ編~


『志乃さん、何もあんな形で帰っていただかなくても良かったんじゃないですか?』


出版社の人を見送り、二人きりになったことを確認して問う。


そう、半ば強制的に追い返したようだった。


「じゃあ逆に聞くけどあなた、自分で上手く対処出来たの?」


『……っ』


質問を質問で返され、口ごもる。


そんな私を見て、志乃さんは額に手をやり、


「ほら御覧なさい」


と呟いた。


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