私こそ光る☆君~グランプリ編~
ガツンッ。
「ケホッ……」
「で、出るの?
出ないの?」
『あっ、えっとその、出ます!!』
「よろしい」
私の返事に満足げな笑顔を浮かべた志乃さん。
これでまた出ないとか言おうものなら……。
考えただけで怖い。
「それでね、どうせ出場するならグランプリ取りたいじゃない?」
調子に乗って高笑いしていたところ、志乃さんから同じ場所に二度目の肘鉄をお見舞いされ、あまりの痛みに悶絶していた社長がやっと立ち直り、口を開いた。
『ええ、まぁ……。
せっかくなら勝ちに行きたいです』
その両の目に薄っすらと浮かんでいる涙は見なかったことにしよう……。