私こそ光る☆君~グランプリ編~
連れて行かれたのは都内の自然公園だった。
そこのイベント広場でゲリラライブを行うらしい。
何でもこの広場では今、ちびっ子向けのヒーローショーが行われていて、それを見に来た子供たちのお母さんターゲットにファンの年齢層を広げるのが今回の狙いだとか……。
今はステージ近くで目立たないようにしながら、出て行く機会を窺っているところ。
「キャー、助けて~!!
光様!!」
わあ~、いかにもヒーローショーって感じだね……って、うん?
何か今、呼ばれたような?
気のせい?
突然のことに動けずにいると、
「何をしているの!?
早く出なさい!?」
と早口で囁かれ、志乃さんにドンッと背中を押されてしまった。
『えっ、あっ、う、うぇっ?』
当然受身の態勢を取っていなかった私は、よろめきながら押された方向へと出て行ってしまったわけで、しかもその方向とはステージ中央のヒーローショーの渦中なわけで……。