あのころ、グラフィティ
「帰っちゃえば?」

「え!?ダメ!それは、、ダメだよ。」

「じゃ、待ってみれば?」

「んー...」

「何か買ってるかもよ。」

「そうだよね、もうちょっと待つ!でも、ちょー遅かったら帰る!」

「そうね、そうしなさい。...あれ、何か違うと思ったら、今日は浴衣なんだね。」

「そうなの!中学以来。」

「似合ってるじゃん。かわいいよ、それ。」

「まっ!...嬉しいこと言ってくれるじゃないか。貫はいい子だねぇ~、誰かさんとは大違い。」

「誰かさんって?」

「マコちんだよ、マコちん。」

「ああ。...照れてるんじゃん。昔から照れ屋だから。」

「そうなんだよね、」



ちょっと先から貫を呼ぶ声。


「今行く。......たまちゃん、気をつけてね、人すごいから。」

「おう!んじゃ、またね。」


貫は戻っていった。またあたし、ひとりぼっち。



帰っちゃおっかなぁと迷ってると、かすかにマコちんの声がする。


辺りを見回すと、いた!マコちん!

もう...遅いぞ。


気づかないと悪いから、あたしは手をふってマコちんに叫んだ。



「マッコちーー、、ん?」

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