CAPTORS
それは一体どこの危ない奴だ。

どこかおかしくて、思わず笑ってしまう。

しかし、能力者と位置付けされる自分がどのように周りから見られているのか、久しぶりに目の当たりにした。

こんなもんだよな、と呟きながら数機あるエレベーターのうちの一つの前に立ち、ボタンを押す。

ピー

扉をくぐり抜けると、聞き慣れない電子音が耳に届く。

そして、すぐ様扉が閉まり、行き先ボタンを押してもいないのにそれは動き出した。

……あれ?

急に不安に駆られる。

よく見てみれば、エレベーターの中には、行き先ボタンや行き先表示すらない。

そういえば、今日のったエレベーターは周りの人たちを避けて乗ったせいか、どこかいつも使うものと違った気がした。

「これ、ヤバい?」

一人エレベーターの中で希螺は呟く。

この時、このエレベーターに乗らなければ、運命の歯車は回らなかったのかもしれない。

しかし、それは誰も知らないこと。
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