CAPTORS
「そんなに怯えなくても別にとって食ったりしねぇから、何でこんなところにお前みたいなガキがいるんだ?」

希螺の反応を面白がっているのか、男は希螺の頭を掴んだまま今度は声を殺しながら笑う。

「……道に……迷ったんです。……エレベーターに乗ってて気がついたらここに……」

少しためらいがちに言葉を紡ぐ希螺。

「……へぇ、エレベーターで、ねぇ」

男の声のトーンが、心なしか下がって聞こえる。

「すみません、勝手にうろちょろして……」

声を小さくして俯く。

やはり、ここは来てはいけない場所だった。

見つかってしまった以上、怒られてしまうのは避けられないだろうが、これ以上ここにいて、さらに怒られる要素を増やすこともない。

「あの!オレ……戻ります。ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした!」

「ちょっと待て」

くるりと踵を返そうと試みるが、男の頭を掴まれる手に力が込められ、それは叶わなかった。

「お前、名前は?後所属も教えろ。俺が特別に連絡入れてやるからよ」

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