CAPTORS
それの意味が分からず、希螺が眉をひそめる。

「歩けないんだろう?背負ってやるから、早く乗れ」

その言葉に希螺の顔が火をふいた。

「……ハズい!ムリ!オレ、子供じゃないし!」

ぶんぶんと顔を横に振る。

まさかこんな歳になってまでおんぶされようとは夢にも思わなかった。

「……一人で歩けないくせになにを照れる必要がある」

呆れたようにレイスが顔だけを希螺の方に向けてくる。

「そうなんだけど……やっぱ抵抗が……」

レイスの言葉は正しい。いつまでもここにいる訳にはいかないのもわかってはいる。わかってはいるのだが、やっぱり恥ずかしさの方が勝ってしまう。

決めあぐねている希螺に、レイスは再びため息をついてみせる。

「そんなにイヤなら俺が選択肢をもう一つやろうか?」

彩十がにんまりと笑う。

もう一つの選択肢という言葉に、希螺の瞳が輝く。

「何ですか?それ」

「あれだよ、あれ。姫様だっこ」

意地の悪い笑みで紡がれた言葉に希螺はその場で凍り付いた。
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