死神と言う名の天使。
コツ…コツ…コッコツ
最後少し躓きながらも男がこっちに近づき男の顔がぼんやり見えた。――何となく悲しんでいるような感じがした。

「仕事なんで、“魂”貰いに来ました。」
冷静な声で僕にその言葉を投げ掛けたそいつの背には、翼が生えていて、手には大きな鎌を持っている。


いかにも―――死神

だが、僕は彼の問い掛けにスグ「わかった。」
と短く答えた。

そんな言葉は耳にしないのか、男は『ぇっ?』という顔を一瞬した。だが、躊躇いはなく、本当に驚いたのか。と思うほど何も言わず鎌を振り下ろし僕の体は首と胴体が離された感覚がした。
少年の体を切り裂くトキ少年には聞こえない声の大きさで、男は


「ゴメン……」
そう呟いた。
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