オバケの駐在所
受講者たちのざわざわと
醸しだす擬声語は
騒がしくなる一方で、
こちらの思いを
見透かされているのか
はやしたてるような
笑い声も聞こえてきた。
退室する前に一喝して
その場を沈静するべき
だったかもしれないが、
そんなことに
頭を悩ます余裕もないし、
わざわざ客が向こうから
会社に赴いたということは
どちらかというと
半ば光明の兆しで
あるだろうと
はやる気持ちを抑えつつ、
俺は部屋から出ようとする。
だが、ドアノブを
掴もうとしたその前に
扉が勝手に開かれた。
扉の外には着丈が尻のほうまで
ピョンと長い
黒の燕尾服を着ている男が
立っていた。
その男の顔をよく見ると
あの奇妙な警官で、
有無も言わさず
俺は部屋の中央まで
押し戻される。
パーティーかなんかに
出席してきたと
言わんばかりの格好だった。
「お、おい。どけよっ。
大事な客が待ってるんだ。
だいたいこんなとこまで……。
何しにきた」
「もう囲まれてるんだ。
廊下に出るな。
それにこの中にも
何匹か人に化けて
紛れこんでいるぞ」
「なにぃ?」
フロアを見渡した。
あのオバケが……?
見慣れた光景だし、
顔ぶれも特に変わったところは
なさそうだが。
「……本当にいるのか?」
「そこら中にいるよ。
でもちょっと妙だ。
昨日より数が少なくて……」
醸しだす擬声語は
騒がしくなる一方で、
こちらの思いを
見透かされているのか
はやしたてるような
笑い声も聞こえてきた。
退室する前に一喝して
その場を沈静するべき
だったかもしれないが、
そんなことに
頭を悩ます余裕もないし、
わざわざ客が向こうから
会社に赴いたということは
どちらかというと
半ば光明の兆しで
あるだろうと
はやる気持ちを抑えつつ、
俺は部屋から出ようとする。
だが、ドアノブを
掴もうとしたその前に
扉が勝手に開かれた。
扉の外には着丈が尻のほうまで
ピョンと長い
黒の燕尾服を着ている男が
立っていた。
その男の顔をよく見ると
あの奇妙な警官で、
有無も言わさず
俺は部屋の中央まで
押し戻される。
パーティーかなんかに
出席してきたと
言わんばかりの格好だった。
「お、おい。どけよっ。
大事な客が待ってるんだ。
だいたいこんなとこまで……。
何しにきた」
「もう囲まれてるんだ。
廊下に出るな。
それにこの中にも
何匹か人に化けて
紛れこんでいるぞ」
「なにぃ?」
フロアを見渡した。
あのオバケが……?
見慣れた光景だし、
顔ぶれも特に変わったところは
なさそうだが。
「……本当にいるのか?」
「そこら中にいるよ。
でもちょっと妙だ。
昨日より数が少なくて……」