オバケの駐在所
そんな人だから
なるべくなら人目を避けて
話がしたかったが、
この講義室まで
押しかけたことを
慌てる脳内で思案、
模索してみるに、
これはとんと
良い兆候なんかじゃないという
結果がはじき出され、
それも諦めた。
さっきこの場で力説した
矢先だというのに、
もうみんなの前で客から
クレームがつくのだろうか。
それともこんな所で
媚びへつらえと……?
どちらにしろ野村を責めるのは
お門違いだが、
……いかん。
睨みつけたくなる。
野村は泣きそうな顔だった。
くそ……。
いざとなったら
辞職も覚悟しなければ
いけないかも……。
なんだか悪玉菌みたいに
見えてきたじいさんは、
そんな俺の
辛らつな思いをよそに
のそのそと壇上まで歩き、
手を伸ばして
机の上のマイクを
うなだれる角度に調節した。
「皆さん。こんにちわ。
僭越ながら、
私から皆さんに少しだけ
お話をさせて
いただきたく思います」
場馴れした言葉が
マイクに吸い込まれ、
フロアに散った。
もちろん部長は
じいさんの顔を知っている。
空気が静まり返った。
なるべくなら人目を避けて
話がしたかったが、
この講義室まで
押しかけたことを
慌てる脳内で思案、
模索してみるに、
これはとんと
良い兆候なんかじゃないという
結果がはじき出され、
それも諦めた。
さっきこの場で力説した
矢先だというのに、
もうみんなの前で客から
クレームがつくのだろうか。
それともこんな所で
媚びへつらえと……?
どちらにしろ野村を責めるのは
お門違いだが、
……いかん。
睨みつけたくなる。
野村は泣きそうな顔だった。
くそ……。
いざとなったら
辞職も覚悟しなければ
いけないかも……。
なんだか悪玉菌みたいに
見えてきたじいさんは、
そんな俺の
辛らつな思いをよそに
のそのそと壇上まで歩き、
手を伸ばして
机の上のマイクを
うなだれる角度に調節した。
「皆さん。こんにちわ。
僭越ながら、
私から皆さんに少しだけ
お話をさせて
いただきたく思います」
場馴れした言葉が
マイクに吸い込まれ、
フロアに散った。
もちろん部長は
じいさんの顔を知っている。
空気が静まり返った。