オバケの駐在所
「情報公開を義務づける
ディスクロージャーという
言葉を知っている
ことでしょう。
それは内容開示のことであり、
企業の経営状態や
業務推進過程を
客にすべて明らかにすること。
つまり今、みなさんには
嘘は無しにしてもらいたい」
それを確かめるように
一拍おいてフロア内を
見渡した。
「私はこの場を借りて
みなさんに問いかける。
生きていくうえで
大切なことは何か。
わかりますか?
金ではない。
もちろんたくさんあれば
何の不満もないし、
さもしい思いをすることは
比較的軽減するだろう。
私が言うのもなんですがね。
だが違う。
それは愛でもない。
大切な人と共に過ごすことは、
不服を解消し
素晴らしい余生を過ごすことと
類なき安堵を
私らに与えるかもしれない。
けれど違う。
ならば地位とか
そういった権力あたりか。
昔から人は
支配と服従の争奪を巡って
奮闘してきましたからな。
不平を並べるのは、
自分が人よりも
上に見られたいからだ。
――しかし、
それも違うのです。
そう。彼は私に言った」
と、じいさんは
唐突に俺を指差し、
スポットライトを当てるように
注目を浴びせた。
突然のことで
ワイシャツの下に
冷たい汗が滲む。
ディスクロージャーという
言葉を知っている
ことでしょう。
それは内容開示のことであり、
企業の経営状態や
業務推進過程を
客にすべて明らかにすること。
つまり今、みなさんには
嘘は無しにしてもらいたい」
それを確かめるように
一拍おいてフロア内を
見渡した。
「私はこの場を借りて
みなさんに問いかける。
生きていくうえで
大切なことは何か。
わかりますか?
金ではない。
もちろんたくさんあれば
何の不満もないし、
さもしい思いをすることは
比較的軽減するだろう。
私が言うのもなんですがね。
だが違う。
それは愛でもない。
大切な人と共に過ごすことは、
不服を解消し
素晴らしい余生を過ごすことと
類なき安堵を
私らに与えるかもしれない。
けれど違う。
ならば地位とか
そういった権力あたりか。
昔から人は
支配と服従の争奪を巡って
奮闘してきましたからな。
不平を並べるのは、
自分が人よりも
上に見られたいからだ。
――しかし、
それも違うのです。
そう。彼は私に言った」
と、じいさんは
唐突に俺を指差し、
スポットライトを当てるように
注目を浴びせた。
突然のことで
ワイシャツの下に
冷たい汗が滲む。