オバケの駐在所
「小百合さんは?
今日は会社に来てないのか?」

「……い、いや、
社員に熱がでたとか
言っていたらしいから
家で休んでると思うけど。
なんでだ?」

「どうもオバケの本体が
目標を見失ってるみたいだ。
もし他に狙うとしたら
ずっと一緒にいた
小百合さんかなと思って。
何か2人でいた時に
変わったことはなかった?」

変わったこと?
なんだろう。
そんなこといっても
何も思い当たらない。

俺はズキズキと痛む
後頭部を撫でながら
とにかくここまでの
経緯を話した。

それを聞いて
警官は目尻を細めながら
ピースをくわえた。

「……マスターだな。
おそらく酒に
一服盛ってたんだ。
体調が悪いのは
そのせいだろう。
ユエ!小百合さんの家に
向かおう。
急いでくれ」

警官が名前らしきものを
叫ぶと、
帆を傾けるように
景色が曲がった。

掴まるところも
よくわからないから
俺は必死にしがみつく。

そろそろ雲に届きそうだ。

「マ、マスターが?
そんなわけないだろう。
昔っからの付き合いだぞ。
……あ、そうか。
あれもオバケだったって
ことか?」

「いや、そうじゃなくて。
……みゆきちゃんは
マスターのことを
よく知っていたしな」

「みゆきがマスターを?」

俺にはその言葉の意図が
何を指しているのか
いまいちピンとこなかった。
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