告白
「俺も同じ気持ちだよ。」


清水くんが私を優しく見つめる。


告白とは思ってないみたい。







うん、もう、心を決めよう。


告白しよう。


私の気持ち聞いて貰おう。

「清水くん、聞いてもらいたい事があるんだけど。」


「うん、何?」


「えっと、どこか座ろうか。」


周りのベンチさがしても、みんなふさがっていた。


「じゃ、あれに乗る?」


清水くんが指さしたのは、観覧車。


………観覧車か。


たしかに二人きりで座れるけど。


告白するのにはいいかもしれないけど。


観覧車はちょっと……。


「俺、今日は絶対小瀬さんと乗ろうと思ってたんだ。」


少し照れ笑いの清水くん。

ものすごく断りにくくなってしまった。


ジェットコースターみたいに、2分、3分ぐらいで終わるなら平気なんだけど、観覧車みたいにゆっくりじりじり動いて、金属の軋む音が聞こえたり、風でゆれたり。


考えただけで無理。


ものすごい恐怖な乗り物、観覧車。


なぜこんな恐怖な乗り物が、恋人達の定番乗り物なのかがわからない。


「観覧車、けっこう列んでるね。」


諦めて清水くん。
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