告白
私、なにを期待してんだろ。


恥ずかしい。


「ごめん小瀬さん。
もう言わないから、下向かないで。」


恥ずかしくて、いつのまにか俯いていたらしい。


でも、顔を上げるタイミングがつかめない。


観覧車を断るタイミングもわからないまま列が進み、とうとう観覧車に乗ってしまった。


「いってらっしゃい。」


笑顔でドアを閉める係員が恨めしい。


「うーん。
えーと、答合わせ前の時なら、変な事言われて、俺の顔見たくないほど嫌われたと思う所なんだけど。
そうじゃないと思っていいんだよね。
それとも俺嫌われた?」


私は慌てて顔をあげた。


「ちっちがう。
嫌いになんてならないよ。
変なことなんて言われてない。」


「嫌じゃないの?」


「嫌なことなんてなんにもない。」


「そうか。」


ホッとした顔の清水くん。

あれ?


清水くんの顔の位置少し高くない?


……あっ、清水くんの方が少し高くなってるんだ。


私の方が体重が重いから、私の方が下がってるんだ。


少し私の方に傾いた観覧車。


なにこれ、なにこれ。


なんで私観覧車乗っちゃったのー。
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