告白
信じられない。


なに私、清水くんと傾いた観覧車乗ってるの。


イヤー、堪えられない。


そりゃあ、私デブだよ。


デブだって自分でわかってはいるけど、こんな傾いた観覧車のデブまるわかり状態で、告白なんて無理無理、絶対無理。


観覧車がゆらゆらと揺れながら、ゆっくり上がり始める。


ギシギシと鳴る、金属のきしむ音。


恐い。


すごく恐い。


スカートを両手でぐっとつかむ。


恥ずかしくて、怖くて、もう訳がわからない。


「どうしたの?」


様子のおかしい私に気づいた清水くんが話し掛けてくれるけど、なんと言っていいかわからない。


恐い、恥ずかしい、もう泣きそうだ。


「もしかして観覧車苦手?」

私はコクンと頷く。


「大丈夫か?
なんで言わなかったんだよ。」


清水くん驚いてる。


でも、そんな事言われても。


「だって、清水くんが乗りたいって。」


私は小さくつぶやく。


「えっ、俺が乗りたいって言ったから、苦手な観覧車乗ったの?」


私はまたコクンと頷く。


「はぁ。」


清水くんはため息をつきながら、下を向いてしまった。


あきれられた?
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