告白
「なんだよそれ。」


俯いたまま話す清水くん。

あきれられたの?


「なんでそんな可愛い事言うわけ?
今、二人きりだってわかってる?
そんなになるくらい苦手な観覧車、俺のために乗ったなんて、そんなうれしい事言って俺をどうしたいの?」


清水くんが顔を上げ、私を見つめる。


「隣に行っていい?」


私を見つめる色っぽい瞳。

もう頷く事しか出来ない。

清水くんはゆっくりと隣に来る。


揺れる観覧車。


怖い。


私はさらにスカートを強く握る。


その握りしめた両手を、隣に座った清水くんの手が優しく包む。


「大丈夫、俺がいる。」


私を見つめる瞳に、私が写っている。


じっと私を見つめる、深い紅茶色の瞳。


「何もしないって言ったの、破ってもいい?」


耳に届く心地好い声。


「ねぇ早く、破っていいって言って。」


甘い声。


ゆっくり私の耳の鼓膜を震わす。


「破って。」


清水くんの声に操られる。

意味なんて考えられない。
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