告白
何も伝えられなかった手紙。


何も伝えられない私。


聞いてもらおうって思って、今日来たのに。


三年間の私の思いを。


清水くん、聞いてくれますか?


どんなに手紙がうれしかったか。


あなたをずっと見ていた三年間。


見てる事しか出来なかった三年間。



「清水くん、ベンチ座ろうか?」


すぐ近くのベンチを指差す。


よかった、ベンチがあいていて。


「あぁ。」


清水くんは頷き、ベンチに向かう。


もう手をつないでいないから、手を引かれて歩く事が出来ない。


それがすごく淋しい。


また、手をつなぐ事が出来るんだろうか?


私が手紙の相手だと知っても、清水くんの気持ちは変わらないんだろうか?





清水くん、あなたにとって手紙はなんでしたか?





清水くん、あなたにとって手紙の相手はどんな人でしたか?






私の気持ちを聞いて下さい。


清水くんと私はベンチに座った。
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