告白
心臓がものすごく早い。


息も荒くなってくる。


無意識に唾を飲み込めば、ゴクリと予想外の大きな音。


がんばれ、がんばれ私。


自分で自分を奮い立たせる。


「話って?」


なかなか話し出さない私に、清水くんが先に話しはじめた。


「なんだか怖いな。
良い話しなら聞くけど、悪い話しなら正直聞きたくないな。」


清水くんは俯いて、こちらを見ない。


「あっあのね。」


私は俯いた清水くんの横顔に話しかける。


「清水くんに話したい事があって。
本当は、卒業式の日に言おうとしたんだけど、うまく言えなくて。」


まだ俯いている清水くん。

涙が出て来て、目が潤んで来る。


鼻水も出てくる。


「そっそれで、今日は、話そうと思ってて。」


「うん。」


返事はしてくれたけど、顔は俯いたまま。


鼻水がたれてきた。


ハンカチを出して鼻をおえる。


全然考えていた告白と違う。


きっと今、涙と鼻水で私すごい顔してる。


鼻をおさえてるハンカチを広げて、顔全部を隠したい。
< 159 / 281 >

この作品をシェア

pagetop