告白
「あのさ、ここでゆっくり小瀬さんが話すのを聞くのが男って言うのかな。
心が広い、余裕がある男なんだろうけど。
俺、小瀬さんにそんな余裕ないから。
だから聞くけど、今から俺振られるわけ?」


「違う。
違うよ、だって私今から告白しようとしてるのに。」


えっ。


私、今何言った?


何言ったの?


清水くんがゆっくり顔を上げて、私を見つめる。


「告白?」


きっ聞かないで。


私は慌てて下を向く。


「今から告白してくれるの?」


私は俯いたまま、コクンと頷く。


「そっか。」


クスクス笑う清水くん。


「ねぇ、まってるから、早く告白して。」


チラッと顔を見れば、すごく嬉しそうな清水くん。



なんで、こんな事になってるの?


「卒業式の日に告白しようとしてたの?」


「今日、告白してくれるんだ。」


「話ししたかったのは、告白ずっとしたかったんだ。」


楽しそうな清水くんの言葉に、頷く事しか出来ない。


「ねぇ、早く告白して。」


顔が上げられない。
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