告白
「ひいた?」


強く抱きしめられる。


「でも俺、小瀬さんを襲おうとする狼だけど、マテの出来る狼だから。」


「マテ?」


「そうマテ。
ダメって言われたら、狼はちゃんと俺の心の中で座ってOKって言われるまで待つから。
こうして抱きしめるのはOK?
それともマテ?」


清水くんに抱きしめるのは、ドキドキするけどすごく気持ちいい。


「OKだよ。」


「うれしいよ。」


「あと、奈津美って読んでいい。」


「もちろんOKだよ。」


「じゃ、キスは?
キスはマテ?」


「えっ。」


キスって。


どうしよう。


えーと、今日から付き合い始めたんだよね。


それでいきなり今日キス?

早くない?


普通なの?


ど、どうしたらいいのー。


「くっくっ…、奈津美顔が百面相になってる。」


「え、いや。」


変な顔していたのかな。


恥ずかしくて顔を手で隠そうとしたら、手を捕まれた。


「隠したらダメ。
いろんな顔を俺に見せて。
可愛い奈津美をもっと見せて、ね。」


『ね』って、清水くんの方が可愛いよ。


「それでキスはマテかな?」

あー、どうしよう。
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