告白
えっと、えっと、えーと。


あー、考えてもわからない。


「嫌かな?」


嫌なわけじゃない。


うん?


そうだよね、嫌なんかじゃない。


素直な自分の気持ちは、


したい。


私キスしたい。




「……OKだよ。」




「奈津美、奈津美、奈津美……。」


名前を何度も呼びながら、痛いぐらいに抱きしめられる。


嬉しいけど、いっ、痛いよ。


「清水くん、ちょっと痛い。」


「あっ、ごめん。
あまりにも嬉しすぎて。
ごめんな。」


謝りながら、優しく背中をなでてくれる。


「『清水くん』はもうやめないか。
名前で呼んでくれ。
幸治って。」


名前で?


そうか、清水くんは彼氏だもんね。


緊張する。


「幸治……くん。」


なんとか頑張ってみたけど、……呼び捨ては無理。


「くんづけ?
まぁ、いいか。
慣れたら呼び捨てで」


慣れるのかな?


呼び捨てなんてずっとムリそう。


「それでキスはどこまでOK?
舌入れてもいい?」


舌?


「そっそんな、マテ、マテだよ。」


私は必死に頭を横にふる。
< 182 / 281 >

この作品をシェア

pagetop