告白
「残念。
でも、そんなに必死にならなくてもわかったから。
ちゃんと心の中の狼マテしてるから、大丈夫。
OKになったらすぐに言って。」


「うっうん。」


頭をふりすぎて、ふらふらする。


「くっくっ…、頭ふりすぎ。」


笑ってるし。


なんか余裕清水くん、……じゃなくて幸治くんか。


私ばっかり余裕なくて、いっぱいいっぱい。


「なんか嫌な感じ。」


思わず口から出てしまった。


「えっ、ごめん奈津美。
あんまり可愛くて。
ごめんな。
嫌いにならないで。」


あの、あの王子様と言われてた幸治くんが、私の機嫌をとろうとしている。


「ごめんな。
もう笑わないから。」


シュンとしてる幸治くん。


可愛い。


「なんかさ。
私ばかりいっぱいいっぱいで、幸治くん余裕なんだもん。」


「余裕?」


顔に表情がなくなった。


怒ったの?


背中の手が頭にきて、顔を胸に押される。


「俺の心臓の音聞こえる?」


すごく早い心臓の音が聞こえて来る。


「余裕なんてある訳無いだろ。
俺なんて、いっぱいいっぱいなんてどころじゃない。
もう俺、倒れそうだから。」
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