告白
さらに早くなっていく心臓の音が、幸治くんの言葉を裏付ける。


しばらくこの音を聞いていたい。


私は耳を胸に押し付けながら、幸治くんの心臓の音を聞いた。


静かな部屋に、幸治くんの心臓の音だけ。


幸治くんは、背中に手をまわして抱きしめ、髪の毛に優しいキスをする。


ゆったりと流れる時間。


幸治くんの心臓の音も、だんだんとゆっくりになっていく。


それがなんか悔しい。


ずっとドキドキしてればいいのに。






「奈津美、送ってくから帰ろう。」


「えっ?」


なんでいきなり?


「もっと一緒にいたいけど、あんまり遅くならないうちに送ってく。
家にだれかいたらあいさつしたいし。」


「あいさつ?」


「そう、家族にあいさつさせて。
お付き合いさせていただきますって。」


えー。


嬉しいけど、恥ずかしいよー。


「奈津美、顔赤いよ。
赤くてすごく可愛いよ。」


そしてまた、髪の毛に優しいキスを繰り返す。


「奈津美、顔上げて。」


上を見上げれば、私を見つめる幸治くん。


顔が熱くなる。


きっと私の顔は真っ赤。
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